補助金について考える。基本。功罪。経験から。

生活

 市役所を退職して約3ヶ月です。その間にやったこと、やらなかったことなどを昨日書きました。色々揺れている自分がいるのを感じています。

 世間の役に立ちたいとの気持ちは変わらないのですが、では、どうやって人の役に立つのか色々と考えてしまいます。

 自分でできそうなのが、子育ての助言(主にPTAなど、経験を含めて)、持っている資格を生かすとすると不動産関連(宅建士免許あり)、経歴を生かすと行政関連の事務・補助金申請の支援(行政書士は登録すれば大丈夫)、これも経歴から考えて悩み事相談(現役中、随分受けました。現在心理系資格を取得中)、家の環境から農業(ハードルは高そう)です。

 さて、どうしましょうというのが現在の状態です。

 いろんな考えを整理するために、今日は、この中で行政関連の中から補助金について、書いてみたいと思います。

補助金の基礎情報

 まずは、補助金って何なのか、基本的なところから整理してみたいと思います。

 まずは国の情報を確認してみます。内閣府の文書を読んでみると次のような文章がありました。

1.補助金の定義
 一般には「補助金とは、国が特定の事務、事業に対し、国家的見地から公益性があると認め、その事務、事業の実施に資するため反対給付を求めることなく交付される金銭的給付である。」とされている。すなわち、この定義を前提とする限り補助金のとしての要件は、
① 特定の事務、事業に国家的見地において公益性があると認められること。
② その事務、事業の実施に資するためのものであること。
③ 財政援助の作用をもつものであること。
の三つをあげることができる。

 補助金は予算科目とされています。やはり、公益性があることが前提でのお金なのですね。次に地方自治の場合を見てみます。

 地方自治においては、補助金は地方自治法第 232 条の 2に以下のように規定され、その支出の根拠とされています。

(寄附又は補助)第二百三十二条の二 普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができる。

 ここでも公益の文字が出てきます。当然と言えば当然なのですが、「公益」のために活用されるのが「補助金」なんですね。

 予算費目的には、「18節 負担金補助及び交付金」で区分されています。

補助金の功罪

 補助金の功罪について考えてみたいと思います。一般的に「公益」のために使用するものですので、功はあっても「罪」があってはいけないと思うのですが、実際には使用する側の問題で、「罪」に値する状況が発生すことがあります。

 いろんなケースがありますが、少し分類して考えてみたいと思います。

事業目的から外れる

 補助金には交付目的がありますので、その制度の趣旨に沿ったものでないと受けることはできません。

 なので補助金を申請する場合には、その交付目的にそった申請を出すことになりますが、補助金を取得しようとするばかりに、自分の事業目的を変えてまで、補助金申請をする場合があります。

 そうなるとそもそもの事業がうまくいくはずがありません。補助金は得られても、事業そのものが変なことになってしまいます。

補助金終了後のことを考えない

 たまに複数年にわたる補助金がありますが、基本的に補助金は単年度で終了します。よく、見かけるのが補助金終了後のことを考えずに、事業を構築してしまうケースです。

 人のお手伝いをもらう時に、お金があるので謝金として出しているが、終了後のことを考えずに執行してしまう場合などです。

 お金を使って人にお願い事をすると、そのお金の支給をやめることができなくなってしまいます。すると事業がうまくいかなくなるケースがほとんどです。

無駄遣いを生みやすい

 無駄遣いを起こしやすいということも、補助金を活用するときによく見かけることです。特に、使い切りで100パーセント補助などの場合、使いもしない備品を購入したり、事務用品を購入したりするケースが見られます。

 電気を使用する事務機などの場合、将来の電気料負担が生じますし、器具の場合にはメンテナンス費用が発生したりします。

 使いもしないのに維持経費が発生する場合でも、補助金で購入したものは簡単に処分をしたりすることはできません。

補助金取得が自己目的化する

 これまでの記述のまとめのようなことになるかもしれませんが、補助金取得自体が目的化することがあります。

 これは、人にもよるのかなと思います。補助金の審査会などをすると同じような人が何回も現れることもあります。

 どこからか聞いてきて、申請しないと損をしたような気分にでもなるのでしょうか。その時間と労力があれば、ご自分の事業を磨き上げる方がいいと考えます。

経験してきたこと

 私自身も市役所の事業に関して、国に補助金申請をしてきたこともあります。また、補助制度を作ってきたことも、審査員として、審査に関わったこともあります。

 これまで経験してきた思うのは、補助金の功罪でも書きましたが、補助金が「公益」のためにあるとい認識が低い人が多いことです。

 そして、また、「公益」に資さないのみならず、申請者自身のためにもならないというケースがよくあります。

 特に国が関与する1000万円規模で行うソフト事業などの場合には、上記の弊害をみることが多かったです。

 また、議会においても、安易に補助制度を作る意見が出される場合もあります。もう少し先のことも考えながら補助金を活用したらどうかなと思いました。

I thought about subsidies. I have acquired it myself, I have created a system, and I have examined it. I think subsidies are really beneficial if they can be used well, but I have seen many cases where they are not. be careful.

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