「地方創生」を考える。計画を軸に。

生活

 今日は、「地方創生」について考えてみたいと思います。昨年1月くらいより新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともない緊急に対処が必要だということもあり、報道などは「新型コロナ」一色になっている感じがあります。

 「新型コロナ」は、対処しないといけない重要かつ緊急な課題であり、その対応が急がれるわけですが、一方でなんとなく横に置かれた感じがある「地方創生」について振り返ってみました。

 まずは、その基本を振り返ってみます。地方創生に関する計画は、平成26年12月に「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が策定され閣議決定されたのが始まりです。

 もう6年も経つのですね。早いものです。その基本的な考え方を振り返ってみます。

内閣官房・内閣府総合サイト「地方創生」

 以下の文章は、内閣官房・内閣府総合サイト「地方創生」に書かれている文章です。

人口急減・超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対し、政府一体となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を創生することを目指します。
人口減少を克服し、将来にわたって成長力を確保し、「活力ある日本社会」を維持するため、
 「稼ぐ地域をつくるとともに、安心して働けるようにする」
 「地方とのつながりを築き、地方への新しいひとの流れをつくる」
 「結婚・出産・子育ての希望をかなえる」
 「ひとが集う、安心して暮らすことができる魅力的な地域をつくる」

という4つの基本目標と
 「多様な人材の活躍を推進する」
 「新しい時代の流れを力にする」

という2つの横断的な目標に向けた政策を進めています。

内閣官房・内閣府総合サイト「地方創生」より

 基本方針は毎年改訂版が出され、総合戦略は2期目に入っていますが、基本的な考え方には代わりはないようです。

国と自治体、「計画」について

 平成26年12月の閣議決定以降、各地方公共団体はそれぞれの自治体で計画の策定が求められました。その当時私は所管課長をしていましたが、正直、「またか」という感じが否めませんでした。

 これまで、行革を行うにしても、国から計画策定を求められることがあり、他の地域政策関連の法制でも計画が起債の条件になっていたりして、随分計画を策定しましたが、策定させられた計画が本当の自治体経営に役立ったという実感はあまりなかったからです。

 確かに、起債や補助金・交付金が条件になっていたりして、全く役に立たないということではありませんが、自治体職員が主体的に、そこの自治体をよくしようというインセンティブにはあまりならない気がします。

 地方創生に関して、計画を作るように国から指示が来たときも、あまり乗り気にはなれませんでした。しかしながら私の所属していた自治体は、総合計画のローリングと行政評価と予算編成作業を一体化してきたこともあり、いつでも対応できる状態でしたので、職員にはすぐ作るように支持し、職員はすぐに対応してくれました。

 確か、県内で2番目に策定できたと思います。(1番目のところは無理くりマスコミに流していた感じがあったので、実質1番目だったと思っています。普段から準備をしている自治体じゃないとそんなことはできません。1番目のところはそんな作業をしている感じではありませんでした。)

地方創生、新型コロナ

 「地方創生」の話に戻します。

 国からの肝煎りで全国で策定された「地方創生」の計画ですが、なんだか、残念な状態にあるような気がしてなりません。

 「新型コロナウイルス感染症の拡大」という緊急事態ですので、仕方がないと思いますが、なんだかなーと思ってしまいます。

 新型コロナウイルスに関しても、法的には新型インフルエンザの流行時にそれぞれの自治体で計画策定が求められており、全国で計画は策定されていると思います。

 しかしながらその計画の話が出てくることはあまり聞いたことがありません。日々変化する現状に政府も自治体も計画どころではないというのが実態だろうなと思います。

 計画を作ってもしょうがないということが言いたいのではありません。やはり普段からしっかり行動の準備のために計画を作るという作業は必要だと思います。

 行動の準備のための「地方創生」に関する計画は、それぞれの自治体の職員の普段の行動の中に実は含まれているのかもしれません。

 それぞれの職員の日常の行動を俯瞰してみて、それをわかりやすいように文章や図に落とし込んでみる。そして、現実的にどう動けばいいのかを考える。そんな計画の作り方もいいのかもしれません。

 いろんな計画を作成してきた体験からそんなことを思ってしまいます。計画作成って本当はとても大切な作業です。自治体職員の魂が込められた計画作りに期待したいと思います。

I feel disappointed with the current state of “regional revitalization.” Planning is good, but there are doubts about the current situation. Let’s think. I’m not denying planning. Rather, I think it is a very important act. That is why the current situation feels disappointing. let’s do our best.

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