市役所の計画策定について考えてみた。永遠の課題かも。

生活

 こんにちは。昨日と同じく、この先どんなことで人や社会の役立てられるのだろうということで、思いついたことを書いてみたいと思います。

 やはり行政経験が長いので行政分野のことが中心になってしまいます。今日は、市役所に勤めていると時々出くわす、計画策定の仕事について書いてみたいと思います。

市役所の中での計画策定業務の実際

 市役所に入庁するといろんな部署に配属されます。入庁して初めての部署は、何かの資格を持っていたりすれば別ですが、技術職でもない限り、どこに配属するかは、全くわかりません。

 結構、その時の役所や課の都合ということもありますので、そこは、選べないものと諦めて、一生懸命与えられた業務をするしかありません。

 となると計画策定の仕事がある部署とそうでもない部署とで違いますので、その後の異動次第では、「市役所に入ったけど、計画なんて作ったことはない。」という人も出てきます。

 大きな計画策定になると全庁で取り組みますので、その一部に関係することはありますが、「なんか人の仕事をお付き合いでこなしただけ。」なんてことにもなりかねません。

 みんながみんな計画策定のスキルを持っているわけではないというのが普通の市役所、役場の実態だと思います。

 それでも、経験したことがないのに、係長になって初めて、法律が変わって、計画を作らないといけないハメになったって人もいるかと思います。

 なので、総合計画(長期振興計画)を例に、計画策定の手順を確認してみたいと思います。

総合計画(長期振興計画)について

 まず、総合計画について基本的な情報を確認しておきます。令和の時代、現時点で、総合計画は市町村が絶対に作らなければならないものではなくなっています。

 以前は、地方自治法で以下のように規定されていました。

【地方自治法第2条第4項(改正前)】
市町村は、その事務を処理するに当たっては、議会の議決を経てその地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定め、これに即して行うようにしなければならない。

 基本構想を策定して、その上で議案として、議会にかけなければならなかったんですね。私もずいぶん、議会対策で悩みました。

 若い頃、議会にかけて、「土づくり」という単語は入っていなかったばかりに、議会から否決されそうになったこともあります。(笑)

 今は、法律事項では無くなった基本構想ですが、今でも計画を策定している市町村は多いようです。そりゃ、そうですよね。行政運営を計画的にしようと思わない自治体の方がどうかしてると思います。

 総合計画について書いていくと、それだけで、いっぱいになりそうなので、今日のところは、策定の手順を簡単に書いておくだけにしたいと思います。

計画策定の手順について

 総合計画を策定する時を例に、計画策定の手順を書いておきたいと思います。その他の分野別の計画では、法定のものなどは、国から雛形のようなものが示されることが多いので、ここでは、示されることがない総合計画を例にします。

宣言

 まず最初にやることは、宣言をすることだと思います。「宣言?」って思う人も多いかもしれません。

 「そんなことしなくてもいいんじゃない?」って思いそうですが、法定以外の計画策定の場合、結構、大切になってきます。

 選挙で当選してきた首長さんには、自分が選挙公約としてきたことをやるのであって、「そもそも計画策定なんてあまり興味がないよ。」って思っているフシのある人もおられるからです。

 計画策定の土台がある自治体なら必要はないとは思いますが…..。

 それでも、他の職員を巻き込むためにも、庁議など全体の意思決定の場で、宣言して、作ることの確認をしておいた方がいいと思います。

スケジュールの作成

 次がスケジュールの作成ですが、このことに関しては、内々にはもっと前から策定しておく必要があります。

 内々でのスケジュールもないと「宣言」なんてできませんしね。ここでは、みんなで確認するためのスケジュールだと考えてください。

策定体制の整理、会議体の確認

 それから策定体制の整理にかかります。これもスケジュールと一緒ですね。内々には早くから準備が必要ですが、みんなで確認する策定体制ということでご理解ください。

 大体、市長を中心とする本部会があって、その下に幹事会、策定部会のような形のものができます。その上で、市民の意見を伺うための審議会をくっつけるがの入るのが一般的です。

 たまに審議会以外の市民参加の組織を作る場合もあります。

現状把握・意見把握の手法整備

 現状把握のための手法の準備をします。一般的には、人口推計、産業の動向、住民の異動の動向、などの資料を準備します。

 基本資料を準備した上で、市民意見の把握方法についても検討し、準備します。市民アンケート調査や子供議会、各種団体のヒアリング、女性集会など色々な方法があります。

 でも、最初に考えておかないといけないのは、どのようなことにその意見を活用するのか、意見反映の仕方は、どうするのかです。

 「意見だけ言わせておいて、なんだったんだろう?」と思われるとあまりうまくいきませんし、計画策定後の事業にも協力してもらえなくなります。

策定作業

 準備が済んだら、いよいろ策定作業になります。庁内の色々な部署の人の力を借りて策定していくことになります。

 ここでも、いかに作業に協力してもらうかが大切です。事務局があまり強力に文章の調整をしても、嫌がられますし、やりたい放題だと調和のない変な計画ができてしまいます。

 みんなに書いてもらわないといけませんが、その調整はなかなか難しく、この調整をどうこなすかが事務局の腕の見せ所です。

 計画策定を単純な作文作業だと思ったら大間違いです。庁内の意思決定の作業でもあるわけで、心してかからなければなりません。

まとめ

 総合計画(長期振興計画)を中心に市役所で策定する計画について考えてみました。色々計画策定にも携わりましたが、意思決定を調整する作業なので、難しいです。

 何回作っても、これでいいのだというものはできないような気がしました。でも、計画のない地方自治体なんて考えられませんし、行政運営はできないだろうなとも思います。

 計画の中に市民意見を取り入れることなんて、ずっと前から言われていて、ずっと挑戦されていて、いろんな手法が作り出され、それでも、あまり上手くいったということを聞きません。

 永遠の課題なんですかね。

 でも、大切です。計画策定。

It is a continuation of thinking about what I can do for myself. I thought about planning. It’s difficult, isn’t it? No matter how many times I make it, I don’t think I can make a plan that says it’s okay. That doesn’t mean that planning is nothing. Yeah difficult.

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