宣誓。とても、とても大事です。

生活

 昨日4月1日は、会社や団体、役所などいろんなところで、入社式などが行われたことだろうと思います。ここ10年以上、ほぼ毎年参加してきた身としては若干の寂しさも感じます。

 昨日から元地方公務員の肩書きとなった私ですが、以前の事を思い出しながら、辞令交付式で行われる新人職員の宣誓のことを書いてみたいと思います。

地方公務員法第31条

 地方公務員法第31条には次のように書いてあります。

(服務の宣誓)第三十一条 職員は、条例の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。

 地方公共団体の職員(地方公務員)は、服務に関して、宣誓を行わなければなりません。そして、その宣誓は通常の場合、入庁の時に行われます。

 私の所属していた市では、朝一番に職員朝礼が行われ、そこで新人職員が全職員に紹介された後、午前10時から始まる他の職員の異動に関する辞令交付式の時に行われていました。

宣誓の内容

 新人職員が行う宣誓ですが、条例で定めなければならないため、一般に公開されています。それでは、ここで私のいた地方公共団体の宣誓文を紹介します。

 と言っても、他の市町村も大体同じなんですけどね。

 宣誓書

                                                               宣    誓    書                                                                           私は、ここに主権が国民に存することを認める日本国憲法を尊重し、かつ擁護することを固く誓います。私は地方自治の本旨を体するとともに、全体の奉仕者として、公務を民主的かつ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、法律条例その他の諸法規を尊重し、誠実かつ公正に職務を遂行することを固く誓います。                                                                                                              
                                                                                         年   月   日            氏名

内容の考察

 宣誓書の中身の文章は、本当によくできていると思います。課長職になって、毎年、辞令交付式に参加するようになって、それまでの自分を本当に反省したものでした。

 新人職員の時には、宣誓のなんたるかもよくわからずにその場に向かいますので、辞令をいただく場所で、急に紙を渡されて、「読みなさい。」と言われたので、素直に読んだだけ、というのが一般的かもしれませんよね。

 この宣誓の時に話題になるのは、「体する」は「たいする」と読むのか「ていする」と読むのかという話題くらいかもしれません。だいたい「たいする」と読みます。

 最初に日本国憲法が出てきます。当然と言えば当然なのですが、日常生活で「憲法」を意識することはあまりないので、なんだかとても新鮮だし、国民主権を相当意識します。

 続くのは、地方自治の本旨です。憲法92条に出てくるものです。

日本国憲法 第九十二条 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。

 地方自治の本旨は、地方公共団体の基本であり、バイブルであるとても大切な概念です。ここでは、それを意識させられます。

 それから、全体の奉仕者(公務員)であるということと、画期的なのが「民主的かつ能率的に」公務を運営すべき職務についてふれられていること。

 これが、基本なんですよね。「遅れず、休まず、働かず」なんて言ってる場合ではありません。入庁の時に、能率的に働きますよって宣誓しているのですから。

 そして、当然のことである「法規の遵守」と「誠実、公正」ということが出てきます。文章全体を通読してみても、本当によくできた文章だと思います。

新しく入庁した君へ

 今日から、社会人として、あるいは新たに公務員として働くことになったみなさん。本当に今日の宣誓のことは忘れないで欲しいと思います。

 慣れない中の1行事のワンシーンでしかないように思うかもしれませんが、これからの公務員生活をおくる上で、とても大切なことが書かれています。

 みなさんは、それを役所の中の幹部職員の前で宣誓したわけです。このことは、とても重いことだと思います。

 最初は新鮮な気持ちで入庁する人が、ほとんどだと思いますが、数ヶ月立つうちに、仕事にも慣れますが、庁内生活にも慣れて、宣誓の内容を忘れてしまう人がほとんです。

 これは、ある意味では仕方のないことかもしれません。それでも、いつでも宣誓を思い出し、その意味の深さを感じられるように感性を磨いていて欲しいなと思います。

 これからの役所人生を応援しています。

まとめ

 地方公共団体の入庁の季節にあたり、入庁の時に行われる「宣誓」について、考えてみました。

 何もわからずに読まされますの、忘れがちなことですが、大事なことです。何度でも書きたいと思います。「大事なことです。」

 実は、この考え方は、臨時職員にも最近、導入されています。いわゆる「会計年度任用職員」ってやつですよね。導入時に、このことも説明していますが、一般職員以上に実行は難しいかもしれません。

 それでも、その考え方は感じられるように、臨時職員(会計年度任用職員)にも、周りの職員はしっかり対応して欲しいものだと思います。

 市役所で働く同じ仲間です。新人職員にも会計年度任用職員にも愛情を持って接して欲しいと思います。

 異動してきた職員にも優しくしてあげてください。中には、新しい部署で心配しながら登庁する職員も多いはずです。

 みんなで協力して街を盛り立てましょう。

I wrote about the oath. The “swearing” of civil servants is often overlooked but important. I hope you don’t forget. It’s held on the first day of newcomers, but most of the time it’s easy to forget as you get used to life as a civil servant. “Efficiently” may be the best.

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