自治体で計画策定は必須です。その理由を少し。

生活

 私も今年3月で定年退職しましたが、在職中は企画部門がとても長いでした。その事もあり、「計画」に携わることが多かったです。

 今日は、そんな私が「計画」のことについて考えてみたいと思います。「企画」ではなく「計画」です。

 ちなみに私が企画課に初めて異動になった時には、企画課というくらいだから、職員はみんな「企画書」を書いているんだろうなと勝手に思っていましたが、全然そうじゃなかったことを思い出します。

 地方分権一括法の施行前(2000年以前)は、国と自治体との関係は上下主従で、ぼーっとしていても国が何とかしてくれるって感じがあったので、企画書や「計画」もあまり意識されてなかったのでしょうね。

 その後、どんどん変わります。「計画」が大事って状況にもなりますが、そのピークがすぎると「計画」なんてという雰囲気に変わります。

 そこで、じゃ、ほんとは、市町村にとって「計画」って必要なのか考えてみました。

市町村に計画は必要か。

 結論を先に書くと、「計画」は必要だと思います。というか必須だと思います。

計画といっても実はいろんなものがあります。基本的な計画は、総合計画や長期振興計画と言われるものです。以前は、地方自治法に規定されていて、議会の議決が必須でした。ところが法律が改正されて必須ではなくなりました。

 この頃なのでしょうね。計画不要論のようなものがで始まったのは。私も、絶対、議会の議決が必要かというとそんなことは思わなほうです。

 長期振興計画的なもの以外でも法令に基づいて作成しないといけないものや交付金、補助金をもらうために必要なもの、起債をするときに条件になっているものなどがあります。

 若干、策定することに疑問があるものもありますが、ここでは、一般的に自治体で作成する「計画」について考えてみます。

必要だと考える表面的な理由

 「表面的な理由」という書き方はいかがなものかと思いますが、他に言い方が浮かびませんでしたのでご勘弁ください。

 状況によっては、「計画」策定がどうしても、必要なものがあります。地域振興関連の法令、過疎地域活性化特別措置法、だとか、離島振興法、など地域振興関連のもので策定が法定されているものがあります。

 また、交付金をいただくために計画を作らないといけないものもあります。地方創生関連の交付金は、そういったものが多かったように思います。

 そういう意味で計画策定は必須です。

 必須ではあるんですが、どうしてもお金を得るための表面的な作業しか行われないように感じます。交付金などの場合、年末の国の補正予算で計上されて、本当に短時間で作らされるものもあります。

 そんなことが多いので「表面的な理由」と書いてしまいたくなるわけです。

必要だと考える、本当のところ。

 この書き方もどうかと思いますが、少し書いてみます。

 法令や状況から国に作らされる計画もあるわけですが、基本となる総合計画等は、そうではありません。前に書きましたが、現在は地方自治法でも規定されていませんので、作成しないで済まそうと思えば、それもできます。でも、私は必須だと思います。

 計画を本気で作ろうとして現状把握をし、問題点を整理する段階になると、職員同士の意見の違いも発生します。すると本当の現場の問題点が整理されてくるからです。

 結果として、出来上がった本に表すことができなくても、その過程での議論は必ずいかせます。若干の工夫の必要はありますが、そういったプロセスを毎年踏んでいるとそれが必ず職員のスキルとして積み上げられていきます。

 計画策定のプロセスの中で現場の課題が整理できるという点でやはり計画は必須だと思います。

 企画、財政、総務などの管理系の職員と建設、農林水産、商工など現場系の職員が議論をしながら、予算に反映させていくという事も意味があると思います。

 みんななかなか気づきませんが、「予算」って一番、期間の短い「計画」のことですからね。現場の背骨がある予算を作るのは本当に大切な事だと思います。

計画策定の実際

 私の場合、5年計画を7〜8本作成していますが、最初に企画課に配属になった20代の後半には、この作業になんの意味があるのだろうと思いながら、計画本体の作文作業を行なっていました。

 当時は、国や都道府県が計画作成のためのマニュアルを作成してくれており、庁内の各分野の担当課の職員に作文作業を依頼して、企画課はそれを取りまとめて、ホッチキスでポンという感じの作り方をしてました。なので企画課が行う作業は、作文の誤字脱字、修正をする「作文屋」でした。

 それが「計画策定」の実際でした。この作業で、できた案を議会に議案としてかけるのですから、提案して、議会に説明する執行部は大変だった思います。当時の企画課長は「しっちょいどん」と呼ばれてましたからね。何でも知っている人が企画課長になる傾向があったという意味です。

 あるときの議会では、農業振興の計画の文章の中に「土づくり」という単語が入っていないから、認めないと言い張る議員さんが出てきて、確かに、単語が入ってなかったのは事実ですが、それを意味することは書かれてあるということで説得しました。大変でした。

 そんなドタバタを繰り返しながらやる「計画」策定に疑問が出てくるのもしょうがなかったのかもしれません。

まとめ

 書き方はどうかと思いますが、「表面的に必要な理由」と、「本当のところ」と、過去の計画策定の実際について書いてみました。

 こういった経過を経て、私の所属していた自治体では、計画策定の仕組みそのものを作り直しています。

 今では、計画の実施計画のローリング作業に計上していないと、予算がつかない事になっており、それもあって、計画策定(予算編成)のプロセスの中で、職員がしっかり議論できる仕組みが出来上がっています。

 計画の作文(本)を作るのが目的ではありません。そのプロセスの中で、どれだけしっかり現場の意見を汲み上げ、現実的な予算を作る仕組みにまで昇華できるかだと思います。

 大切なのは、現場にある課題をしっかり拾い上げること、そして、それを把握し、課題化して、施策にまで作り上げ、事務事業の塊である予算編成に生かすかです。

 全ては、計画から始まります。だから必須なのです。

I wondered if a local government plan was necessary. The conclusion is mandatory. But there were times when it wasn’t. At the time of the Local Autonomy Law, it was exciting, and in reaction to that, it was exciting, and the revision of the Local Autonomy Law further expanded the atmosphere of no planning. Is it like this? But it’s still essential.

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