「稼ぐ」を考える。「働く」「稼ぐ」の比較から。

生活

「働く」と「稼ぐ」

 私は元地方公務員ですが、現役の後半の頃、気になる言葉がありました。私は、企画セクションが長く、随分いろんな計画策定に関与してきたのですが、最後の5年間だけ、企画セクションを離れ、後輩が総合計画を策定したときに使われた「稼ぐ」という言葉でした。

 「産業振興」などの単語を使って表現してきた分野の目標を表す単語に「稼ぐ」という表現が使われていました。

 その時には、少し気になっただけで、私もそのことに異論を挟むわけでもなく、そのまま計画は策定され、計画書となって配布されました。

 何だか、今頃になってやはり気になったので、少し、最近の状況を把握したくなり、似たような言葉である「働く」と「稼ぐ」をググってみました。

「働く」をググる

 「働く」という単語をググってみると1位から10位くらいまでには、1位が言葉の説明で、その後が、本の紹介など、それから、面接の仕方や、働くことの意味づけなどが書かれてありました。

 「働く」関連の面接の答え方や、「働く」ということの目的の考察、就職紹介の会社の記事、そういったものが多いでした。

 印象としては、まあ、そんなものだろうというくらいの印象でした。次に稼ぐをググってみました。

「稼ぐ」をググる

 稼ぐをググると、最近の傾向なのでしょうか”副業で稼ぐ”系統の記事が目立つような気がします。サラリーマンの副業紹介の記事やスマホでの稼ぎ方などの記事です。

 やはりお金を儲けるということに関して、直接的な表現が多いように思います。記事も考え方を説明するというより、ノウハウを紹介する記事が多いような気がします。

 やはり「稼ぐ」という表現になると直接お金に関係する記事が多くなりますね。それも「働く」という言葉より現実的で、生活感のある記事が多いように感じます。

 では、政府系の記事で「稼ぐ」という記事は使われているのかが気になってググってみました。

政府が使う「稼ぐ」

 やはりありました。最初に見つけたのが、内閣府の”地域の経済2017”の第2章に書かれている「地域の「稼ぐ力」を高める」の記述です。

 少し紹介してみます。

地域経済を活性化するためには、短期的な需要創出にとどまらず、当該地域経済の自律的な成長力、「稼ぐ力」の向上が必要である。本章では、地域の「稼ぐ力」について、自然資本、人的資本、物的資本といった地域にあるストックの賦存状況に注目するとともに、「地域ブランド」の経済的価値を分析する。また、「地域ブランド」の活用等により、地域の「稼ぐ力」を高める方策について検討する。

 なるほどですね。”地域の経済力”と過去に表現していた部分を変えたんですね。確かに、経済力より”稼ぐ力”の方が、わかりやすくストレートな表現だと思います。

 でも、その後に続く、”「地域ブランド」の経済的価値”って単語になると”?”ですよね。何だかせっかくわかりやすく始めたのに、また、わかりにくくなってます。

まとめ

 何だか気にって調べ始めた「働く」と「稼ぐ」の表現でしたが、「稼ぐ」という表現を政府が使い始めたのが始まりだったのでしょうね。

 それが本当かどうかは、自信がありませんが、真面目なわが後輩たちが急に「稼ぐ」という単語を使い始めた理由が何となくわかってきました。

 そういえば2017年という数字も付合します。私はすでに企画セクションから離れていました。計画よりも人の悩みを聞く時間の方が長くなっていた頃でもあります。

 普段、計画的な言葉に触れる機会が少なくなってきた時期でもありますもんね。そんな背景があってのことなのだろうと思います。

 今年もまた、後輩たちは計画策定に入ります。頑張って欲しいと思います。

I was worried that my juniors suddenly started using the word “earn” in the planning process, so I looked it up. It was the government. After comparing the words “working” and “earning” and confirming the feeling, I investigated “earning”. It was in the Cabinet Office document. Is this this?

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